第6回衆愚政治・哲人政治

第6回衆愚政治・哲人政治

4回目、5回目のコラムでは財政学者の小黒先生の話を引用させていただきました。

日本を代表する財政学者が、この国は今のままだと破産すると断言しているわけです。これは、やはり大変なことです。今のままというのは、安倍政権がやっているようにバラマキを続け、国民の歓心を買うために、つまり、選挙に勝つために、大改革や国民にとって痛いこと、嫌なことは一切しないということです。ということは、衆愚政治のままでこのまま破綻まで行ってしまうということです。

以前も言いましたが、古代ギリシャにおいて実は民主主義は最高の統治形態ではなかったのです。

私たちは民主主義が最高の統治形態だと思っていますが、ギリシャではそうではありませんでした。つまり、当時ギリシャ人は歴史に名を残す哲学者を数多く輩出したように極めて賢明だったので、いろいろな事を予測していました。その中で、民主主義というのは往々にして衆愚政治に陥ると考えられていました。つまり、愚かな民衆が愚かな政治家を選んでバラマキを求め、国家自体が最後に滅んでいくと。

では、逆に彼らが考える民主主義を超える最高の統治形態とは何だったのか。それこそ“哲人政治”という、あまり聞き慣れない言葉に象徴される政治形態です。これは、非常に賢くて徳もあり、そして自分自身の欲望も抑えられて本当に民衆のために最高の政治が出来る人間が 独裁制を敷くというものです。変な人が独裁をやってしまうと、プーチンやヒトラーのようになってしまいますが、そうではなく神に近い人間が独裁政治を実行する。ただし、それがなかなか難しいので、仕方なく民主主義をやっていると。これが、ギリシャの本当の姿だったのです。

というわけで、私たちは現代においてアメリカを中心に民主主義は世界一だと思ってやっておりますが、残念ながら日本国においてはやはり衆愚政治に陥ってしまったなと。特に安倍政権はそうだなと思います。

先日、ある人から聞いた話ですが、その人のお母さんが65歳以上から3万円もらえるという「年金生活者等支援臨時福祉給付金」で電気毛布を購入したそうです。「いやぁ、安倍さんからお金をもらいました。ありがたい」といっているようなのですが、これは話が違う。安倍さんがくれたわけではないのです。これは、自分たちの税金なのです。あるいは将来世代の負担。つまり甘い妖言、人を騙しているようなものです。

確かにお金を貰えればその時はお年寄りは喜ぶけれど、結局、これは子孫の負担になってくるのです。しかも、GDP比で250%というとんでもない規模の借金をしているのです。ですから、やはりこの国はどこかおかしくなってしまった。

そんな中で、この間の小黒先生のお話をお読みいただいて、皆さんはどう思われたでしょうか。小黒先生は今の政治のままだと無理だ、安倍政権だけでなく自民党もかつての民主党もだと仰っていました。民主党が一時政権を取った際、あの時も例えば群馬の八ッ場ダムの工事は一旦中止という事になりましたが、結局、最後はやるという事になりました。

これは元々自民党が悪いのですが、この工事は付帯工事も加えると1兆円近い費用がかかっているのです。世界のどこか小さな国ですと、これは国家予算になるようなお金で、それをたった1つのダムの為に使っているのです。確かに今年、東京は台風が来るまで水不足と言われていました。ですから、ダムがもう一つあってもいいのかもしれません。

しかし、何十年に一度、不便をすることはしょうがないことです。それを水の為と言って1兆円かけて、普段ほとんど使わないダムを作ること自体に問題があると思っています。

それに対して、なぜ私がいつもニュージーランドをおすすめしているかと言いますと、それは不動産が素晴らしい、景色が美しいというだけではないのです。実は、ニュージーランドという国は政治が非常にクリーンな国なのです。政治家と官僚がクリーンで、汚職が世界でもほとんどない国だといわれています。そこも、私がニュージーランドを買っている点なのです。ですからお金の無駄遣いは全くない国です。日本と同じように山が多いのに不便をものともせず、トンネルを作らせません。大したものです。

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